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活動レポート

静岡山田錦研究会レポート

もみまきをし、苗を育て、田植え前に研修会を行う。

機械を調整する鈴木会長

種もみ

もみまき

苗を測定する

根張り状態の確認

最も優れた苗を選ぶ

静岡山田錦研究会会員の今年の米づくりが本格的に始動しました。食用米の方は4月上旬からもみまきが始まり、苗を育て、田植えが行われました。そして、5月半ばを過ぎると山田錦ももみがまかれ、苗が育てられます。そして、6月に入ると山田錦の田植えが行われますが、静岡山田錦研究会ではその前に苗の持ち寄り研修会を行います。会員が苗箱を1つずつ持ち寄り、その成長具合を皆で確認し、最適な田植え日を決めるものです。今回はこの「もみまき」と「苗持ち寄り研修会」の2つをレポートします。

山田錦はもみを薄くまく

研究会の鈴木良紀会長は5月20日にもみまきを行いました。もみまきの作業そのものは食用米も酒米も違いはありません。ベルトコンベアによる流れ作業で行われます。まず、苗箱をベルト上に乗せて送り、土を盛る。その上に水をまく。そして、その上に種もみをまきます。山田錦の場合は他の品種に比べ薄くまきます。他の品種は1つの苗箱に130?150グラムですが、山田錦は100?110グラム。丈夫な苗をつくるためです。そして、最後にその上に土をまいて作業は終了です。

鈴木会長は最初にまく土の代わりに育苗用のロックウールマットというものを使用しています。このマットにはあらかじめ窒素、リン酸、カリが含まれています。また、最後にまく土は窒素の少ない土を使用しています。田植え前に伸びすぎないように配慮してのことです。

低温にしてゆっくり芽出しさせる

作業の合間に鈴木会長に話しを聞くと、「今年は低温でゆっくり芽を出すようにしました」と言います。最初はその意味がよく分からなかったのですが、ここ数年、鈴木会長のもみまきを取材してきたのでそれを思い出しながら確認しました。

まず、一つの芽は種もみの芽のことです。通常、もみまきの前の作業として種もみを温湯殺菌機で消毒します。その後、3日間から5日間ほど種もみを水に浸しておきます。その間に種もみの様子を観察し、芽と根が出る胚芽がふくらんだ時にもみをまくのですが、今年はその水温を3度ほど低くし、ゆっくり発芽させたと言います。

それから、もう一つの芽は、育苗機の中の苗の芽です。もみまきが終わったら、苗箱を温度設定ができる育苗機に入れます。この中で「芽出し」をさせるのですが、この育苗機の中の温度も今年は例年より1度低くしてあるということなのです。

「温度が高いと元気のいいのは先にグンと出るが、そうでないのはゆっくり出てくるので、むらがあります。そこで、今年は全体に温度を下げて、ゆっくり芽が出てくるようにやっています」ということだったのです。この日が今シーズン最後のもみまきだったのですが、今までやったものについては、「ある程度そろっています。大きさがそろっていると、その後も同じように成長していくので育てやすい。トータルで通常より2日くらい余計にかかってしまいますが、田植え時期に合わせて調整しています」と鈴木会長は語りました。

苗を調べ、田植え日を決める

その1週間後の5月27日に静岡山田錦研究会の「苗持ち寄り研修会」が花の舞酒造で行われました。はっきりしない天気でしたが、それもそのはず、この日東海地方は早々と梅雨入りしたのでした。苗のチェックは、会員が持ち込んだ苗箱をテーブルに一つずつ乗せ、その苗を育てた会員に話しを聞きながら、研究会の役員が、土資材名・播種日・播種量の確認、草丈・2葉までの長さの計測、葉齢・根張りの確認を行います。そして、それらを勘案して最適な田植え日が決められていきました。

会員のみなさんは自分の番が終わると他の人の苗を観察したり、育て方について会員同士で話し合ったりしていました。花の舞からは事務局の斎藤副杜氏が記録を担当。蔵人の鈴木も苗の撮影を担当し活動に協力しました。

苗の調査は約1時間で終了。鈴木会長が最も優れた苗として磯部重光さんの苗を会長賞に選びました。最後に花の舞酒造の土田杜氏が「今年もいい山田錦をつくってください」と激励して研修会は終了しました。

すべての苗をチェックした鈴木会長に感想を聞くと、「今年はもみまきが1日違うとずいぶん成長に違いが出ているようで、草丈にだいぶばらつきがありました。苗そのものには問題がないので、田植えの時期を的確にしてもらえば大丈夫でしょう」と語り、会長自身は6月10日に植えることになりました。

 この後は近くの飲食店に場所を移し、懇親会となりました。研究会のメンバーが生産した山田錦でつくった花の舞のお酒をかたむけながらなごやかに歓談が続きました。

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