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活動レポート

静岡山田錦研究会レポート

熱波の中、今年2回目の圃場巡回を実施。

猛暑の中巡回する会員

8月上旬の山田錦の姿

葉色板で葉の色を確認する

昼食時に感想を語る鈴木会長(中央)

圃場で計測する会員

クロロフィルメーターで葉の色を測定する

データを記録し確認する

車列を組んで巡回する一行

猛暑対策として間断灌水を指導。

静岡山田錦研究会の定例活動である今年2回目の圃場巡回が8月6日に行われました。これは7月2日に行われた第1回目の巡回と同様、会員の圃場(田んぼ)を回り、稲の発育状態を調査するもので、今回も車を連ね、研究会の鈴木良紀会長をはじめ会員、JA関係者、そして、花の舞から事務局の斎藤、土田製造部長、青木製造部長補佐、蔵人が参加し、湖西市から浜松市、磐田市、袋井市まで各地区の代表19圃場を巡回しました。

遠州地方(静岡県西部地区)では梅雨明けから猛暑が続いており、この日も朝から強い日差しが照りつけましたが、一行は暑さにめげず夕方まで精力的に巡回しました。

中干しを弱めた影響で葉の色は濃いめ

この時期の巡回の目的は出穂(穂が出る)時期の予想と穂肥(穂のための肥料)をいつ、どのくらいの量行うかの判断をするためです。測定したのは1株茎数、草丈、葉色、CM値、幼穂長等です。

今回の巡回の感想を鈴木会長に聞くと、まず、稲の葉の色が濃いめだということを挙げました。「今年は根を丈夫に育てようということで、中干し(田んぼの水を切って乾燥させる)を弱くするよう指導しています。その影響が出ているのだと思います」と言います。研究会では秋落ちしない(秋になっても負けない)ように、今のうちに健全な稲をつくっておくための措置を講じているのです。

具体的には、中干しの期間を通常2週間のところ、今年は10日くらいに短くしているのだそうです。「田んぼの土が乾燥して割れるような状態にならなければ、根は切れません。その後水を入れたときには根が動き出して肥料を吸うようになります。だから、今年は稲の葉の色が例年に比べて若干濃いのです」と鈴木会長が言うように、すべては想定の内、心配することはないようです。

その他では、草丈のことがあります。鈴木会長は「少し高いように思います。湖西地区では90cmを超えている稲もありました。あまり長いと倒伏する恐れもあります。今の時期だと80cm台前半くらいがベストなのですが」と、やや心配顔でした。

出穂は例年並み、穂肥は稲を見て判断

今回の巡回で重要なのは幼穂(ようすい)のチェックです。幼穂とはその名の通り、やがてりっぱな穂になる若い穂のこと。今はまだ地面から10?15cmほどの茎の中にあり、外側からは見ることができません。そこで、茎を縦に裂いてその断面で幼穂の長さを計ります。

今年はいちばん小さいものは0.2mmくらい。大きなものは10mmでした。これは田んぼによる初期生育の違いで特に問題はありません。今回はデータの精度を上げるために二人で測定したということです。この幼穂の長さでいつ頃穂が出るのか予想できます。鈴木会長は「いつもの年より1日2日早くなるかもしれませんが、だいたい8月末でしょう」と、例年並みを予想します。

その穂の成長のための肥料「穂肥(ほごえ)」をどうするかという問題があります。出穂時期が例年並みであれば、穂肥を入れるのも8月10日から15日頃ということになります。

今回も7月の巡回と同様に、葉の色に含まれる葉緑素の濃度を測定するクロロフィルメーターで葉の色を測定しました。例年、研究会ではその数値であるCM値が32程度で1kg、20台で2kgの肥料を入れるよう指導しています。今年はいちばん低い数値が30で、他はそれ以上でした。鈴木会長は「自分の田んぼ、稲の色を良く見て判断してほしい」と言い、また、初期に通年効果がある肥料(一発肥料)を使っている人には、「今年使った肥料の量と稲を見比べ、来年使う量を決めてほしい」と指導しました。

出穂してからは暑さ対策が重要

さて、連日猛暑が続いていますが、山田錦づくりに影響は出ているのでしょうか、そして、これからどんなことに気をつけたらいいのでしょう。

「今のところ猛暑の影響はありません。実は、これから穂が出てから暑い日があるのが問題です。もみが焼けたりする恐れがありますからね」と、これからの暑さ対策が重要だと言います。

具体的にはどうすればいいのでしょう。「稲は地面から上に出ている部分は暑くても、下の温度がある程度低ければ大丈夫なんです。だから、冷たい水を入れて地温を低くするか、地肌を出して放射冷却で熱を逃がしてやるのがいい。水を入れっぱなしにしておくのがいちばん良くない。 どんどん水は熱くなりますから、根もストレスがたまってしまいます」。

通常、穂肥を入れる8月10日から15日頃までは田んぼに浅く水を張る「浅水管理」を行うのですが、「猛暑が続くような場合は、間断灌水が必要です」と鈴木会長は言います。つまり、冷たい水を入れたり、抜いたりすることが大事というわけです。稲も人間も同じ、水が熱いとつらい。冷たい水がほしいのです。鈴木会長は「稲は順調。人間の方がまいっています」と笑いながら今回の巡回を総括してくれました。

この日は巡回が終わった後、研究会恒例の親睦会が浜名湖畔のホテルで開催されました。熱波を浴びながらの巡回は疲れたことでしょうが、自分たちが栽培した山田錦でつくった花の舞のお酒の味は格別だったことでしょう。

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