English

ホーム > 山田錦研究会 > 田植え後、1回目の圃場巡回を実施。

活動レポート

静岡山田錦研究会レポート

田植え後、1回目の圃場巡回を実施。

圃場を巡回する会員や関係者

本隊の到着を待つ会員

稲の計測を行う会員

記録を取る事務局斎藤(右)と鈴木会長

葉色板を使って色を確認する

山田錦の姿(都田地区)

新しい圃場を巡回する

山田錦の姿(袋井地区)

6月の天候回復で稲の生育順調。

静岡山田錦研究会の定例活動である今年1回目の圃場巡回が7月2日(金)に行われました。梅雨本番中でありながらこの週はずっと好天が続いていましたが、当日は薄曇り。蒸し暑いながらも巡回には都合のいい天候となりました。

この圃場巡回は会員の圃場(田んぼ)を回り、稲の生育状態を視察するもので、広いエリアにまたがる会員全員の圃場は1日では回りきれないため、各地区の代表圃場19カ所を巡回します。この内9ヶ所は会が発足した平成9年から変わることなく、毎年稲の観察が継続して行われています。
今年も鈴木良紀会長をはじめ、全地域の視察を希望する会員とJA関係者、そして、花の舞酒造から事務局の斎藤、土田製造部長、青木製造部長補佐、蔵人鈴木らが参加。この他、自分の地区のみ視察する会員は時間を見計らって、本隊が到着するのを各地で待ち受けるというやり方で行われ、夕方まで精力的に巡回しました。

1株の茎数をもう少し増やしたい

7月の巡回で行うのは1株の茎の数の確認。田植え時の苗が何本に分けつして(増えて)いるかを数えます。そして、草丈と稲の葉の色の測定をします。その前提となる情報として、田植え日、植えつけ深さ、1株植え本数をまず確認しておきます。そして、巡回、計測して分けつの状況はいいのか悪いのか、追加の肥料を入れる必要があるのかないのか、田んぼの水を抜く中干しはいつから始めるのか等の判断を下すのです。

今年の稲の生育状況を鈴木良紀会長に聞くと、「5月の気温は低い日もあって安定していなかったので早稲(わせ)系の分けつが心配でしたが、6月に入ってからは平年並みの気温になったので、晩稲(おく)の山田錦は順調に育っていると思います」。山田錦の分けつ(田植え時の苗が何本に増えているか)については、「すこし少ないですね。理想としては中干し前に22、23本くらい、それで無効分けつで落ちて17、18本くらいがいいのでは」と言います。

中干し(なかぼし)とは田んぼの水を抜いて干すこと。稲の分けつを止めるために行います。あまり大きなヒビ割れをつくらない程度に水を抜いて、軽く根に刺激を与えてやり、分けつを止め、稲に穂をつくる準備をするよう知らせてやるのです。そして、無効分けつとは、分けつしても中干しで生育せずに枯れてしまうことです。「本数を確保できれば、中干しをして止めればいい。農家としては収量を上げたいと思いますから、今はもう少し数がほしいという状況でしょうか」と鈴木会長は言います。

田植えは浅植えが基本

少し気になることもあったようです。鈴木会長は稲が上に伸びて、横への広がりがなかったところが多かったこと。そして、稲の葉が細いことを挙げました。その理由として、田植えの際の植え付けが少し深かったのではないかと言います。「浅く植えれば土の上に出てくるのが早く、広がって出る。また、1本1本の茎も揃っています。ところが、苗を深く植えると、土の中にいる時間が長く、出てくるのが遅い。しかも、土の中で力尽きて出てくると細い茎になってしまいます。だから、浅く植えて、同じような状態で地面から出してやることが大切なのです」

今頃の葉色としては良い

葉の色については上から2枚目、開いている葉の色を葉色板を使って確認します。葉色板は黄緑色から深い緑色まで、7段階に分けて色が付けられている板で、それを葉に近づけ、葉の緑色がどのくらいの濃さであるかを数値で表します。その他に、クロロフィルメーターという葉に含まれる葉緑素の濃度を測定する機器も使って測定します。その数値はCM値と呼ばれるものです。鈴木会長は「以前のようにとても濃い緑色はもうないですね。田植え後30日してからだんだん色が抜け始めます。今頃の稲の色としてはいいと思います」と答えました。

しかし、例外的に二人の会員の田んぼでは稲の色が抜け始めていました。原因としては肥料が少なかったか、うまく肥料を吸収できなかった等が考えられます。このままでは8月まで持たずに、せっかく穂を出そうとしている稲が無効分けつでなくなってしまう可能性があります。鈴木会長は二人の会員に対し中干しの後に肥料を追加するようアドバイスしました。

その他、ガスが出ているところは1回水を抜いて、新しい水に入れ替えて土の中にも酸素を入れてやってほしいと話しました。そうすることで根も活性化し、分けつも増える可能性があるからです。中干しの前にはそういう作業も必要になってくるのです。

さまざまな理由で圃場を替える人も

今年、山田錦の圃場を替えた人もいます。磐田市の太田重一さんは今まで巡回で使っていた山田錦の圃場をコシヒカリをつくっていた圃場に替えました。他の山田錦の圃場に近いこと、水の使い勝手や面積を考慮してのことです。巡回には息子さんの剛志さんが最初から参加していましたので、車列は迷うことなく無事巡回を行うことができました。

花の舞は地元産の優れた山田錦を確保するために、契約農家のみなさんと手を携えて活動しています。

一覧を見る